日本の初任給がようやく上がり始めた理由と、世界との差を正直に比べてみた

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2025年、日本の初任給の「当たり前」が変わりつつあります

2026年5月22日時点の情報をもとにまとめています。

産労総合研究所が発表した「2025年度 決定初任給調査」によると、日本の大学卒(一律)の平均初任給は23万9,280円でした。これは「20万円前後」という長年の相場から一段階上がった数字で、24万円の大台にかなり近づいています。

今更何を言っているんだと思うでしょうが、この間1980年制作の映画を視聴したのですが、缶ジュースが100円でした、その時代と物価は対して変わらない様に感じます。日本という国は一体何をしていたのでしょうという疑問が残ります。

なぜ今になって多くの企業が初任給を引き上げているのか、世界と比べるとどのくらいのなのか、そして働く側にとってこの変化が何を意味するのか、この記事ではそのあたりをわかりやすく整理してみます。

72%の企業が初任給を引き上げた2025年

今回の調査では、初任給を「引き上げた」と回答した企業の割合が72.0%に達しており、調査開始以来2番目に高い水準となりました。

企業規模ごとに見ると、以下のような結果でした。

・大企業(従業員1,000人以上):25万9,285円(前年比6.52%増)
・中堅企業(300〜999人):23万9,624円(前年比4.63%増)
・小規模企業(299人以下):23万1,657円(前年比4.63%増)

引き上げた理由として最も多かったのは「人材を確保するため(71.1%)」で、「在籍者のベースアップがあったため(48.3%)」を大きく上回りました。企業が人材の採用・確保を強く意識していることがうかがえます。一方で、大企業と中小企業の間でが開きつつあることも、このデータから見えてきます。

これを見るとそれほど大きな差があるようにみられませんが、見方によっては大企業と小規模企業では大きな開きがある様にも見えます。まあこんなもんだろうと思えば済んでしまうんですが、本当に企業規模によって格差があるのは仕方がないとして問題なのは海外の同世代との格差です。このことにより優秀な人材を海外に流出させてしまっている現実があります。大企業は特にこの問題が直撃しているのではないでしょうか。なんとかならないものでしょうか。

世界の初任給と比べてみると

日本国内では「初任給が上がってきた」という実感が出てきていますが、世界のデータと並べると、まだがあるのも事実です。

2024年のデータによれば、シリコンバレーで働くソフトウェアエンジニアの新卒年収は、総報酬ベースで約1,400万〜1,800万円とされています。(「シリコンバレーの平均的な新卒エンジニア年収」として提示するには過小評価の可能性があります)物価の違いを踏まえても、日本との差は大きいといえます。

他の国・地域を見ると、シンガポールではIT専攻の初任給の中央値が約S$5,500(日本円で64万円前後)とされています。韓国では購買力平価(PPP)基準で日本の大企業を約41%上回るという調査結果があり、ドイツのIT系初任給は約5.1万ユーロ(日本円で850万〜900万円相当)と報告されています。

これらはあくまで目安であり、物価・税制・社会保障の違いがあるため単純比較には限界があります。ただ、複数の指標が「日本の賃金水準は国際的に見て低い位置にある」ことを示しているのは確かです。

日本の税制は年々厳しいものになっています。何をしていても税金等で国に持っていかれる感じです。うちの息子は今、大学生ですが先を見据えて動いています。今から先の金策を考え生きていくには「夢や明るい未来」を後回しにして考えなくてはならないということです。なんとも可哀想なことでしょう。世間知らずな若者には「無理ゲー」といえます。

なぜ30年間、賃金は上がらなかったのか

日本の賃金が長期間停滞した背景のひとつとして、1990年代のバブル崩壊後に広まった「人件費抑制」の考え方があります。当時の経営環境のなかで、新卒採用がコストを抑えた大量確保の手段として位置づけられるようになったと考えられています。

エコノミストの永濱利廣氏らが指摘するように、生産性が上がらなければ賃金も上がりにくく、その悪循環が続いた結果が「失われた30年」と呼ばれる停滞につながったとも言われています。企業が長年にわたって人件費を抑え続けた結果、今になって深刻な人材不足という課題と向き合うことになったという見方もあります。

給与の「仕組み」そのものも変わりつつある

2025年に注目されるのは、金額の引き上げだけではありません。給与の決め方そのものにも変化の兆しがあります。

NTTが一部職種で、2026年入社向け30万円以上、三菱UFJ銀行やソニーが能力次第で高い年収を目指せるコースを設けたりと、「職務内容や専門性で報酬を決める」ジョブ型の考え方が広がってきています。これは従来の「年齢とともに給与が上がる」モデルとは異なるアプローチです。

ジョブ型では自分のスキルや成果が収入に反映されやすい一方で、スキルの市場価値が問われやすいという面もあります。「何歳か」だけでなく「何ができるか」が問われる場面が増えていくなかで、キャリアへの向き合い方も変わっていくかもしれません。

中堅のサラリーマン以上は「何ができるか」を育てた方がいい。いつまでも上にふんぞり返っていられたら若者が育たない、「何歳か」だけでいられては溜まったものではない。だから歳をとるほど「何ができるか」をもっと育てた方がいいと思います。

新入社員の夏季賞与にも変化がありました

今回の調査では、新入社員向けの夏季賞与にも変化が見られました。

何らかの夏季賞与を支給する企業の割合は81.8%で、前年の77.5%から上昇しています。平均支給額は大学卒で約10万円、高校卒で約8万円です。

入社後まもない時期に支給されるこのボーナスは、金額としては多くないものの、支給する企業が増えている背景には、入社直後の離職を防ぎたいという意図があると考えられます。

私の在籍していた企業では毎月「臨時賞与」と称していくらか出ていました。ここで紹介した10万円より多い金額のものです、こうして人材の確保に必死になって取り組んでいました。それでも毎年、辞める社員は出るし問題はそこだけではない様です。

まとめ

2025年の初任給引き上げは、日本の雇用環境が少しずつ変わってきていることの表れともいえます。ただ、世界との差はまだ残っており、この流れが今後も続くかどうかは様子を見る必要があります。

日本は対外純資産世界2位(これまで世界最高額を記録、2024年に34年ぶりに抜かれた)の国ですよ、その国がなぜ近隣諸国に遅れをとっているかが問題です。これでは若者のやる気は削がれ誇りも持てなくなって当然です。

ジョブ型への移行が進むなかで、自分のスキルや強みを意識的に育てていくことの大切さは、これからより高まっていくかもしれません。賃上げの動きを「自分ごと」として捉えながら、キャリアを考えるきっかけにしていただければと思います。

参考資料

・産労総合研究所「2025年度 決定初任給調査」
https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/chingin/shoninkyuu/

・第一生命経済研究所・永濱利廣「日本の賃金はなぜ上がらないのか」
https://www.dlri.co.jp/report/macro/

・Levels.fyi(シリコンバレーのエンジニア給与データ)
https://www.levels.fyi/

・シンガポール教育省「Graduate Employment Survey」
https://www.moe.gov.sg/post-secondary/admissions/ges

・Korea Labor Institute(韓国労働研究院)賃金統計
https://www.kli.re.kr/

・厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/

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